 |
|
|
 |
|
盛岡でのショッピング、といえばもう地元の老若男女誰でもご存知、菜園通りの百貨店パルクアベニューカワトクさん。
さて、障害者も含めて毎日たくさんの方が利用するカワトクさんのバリアフリー状況はいかほどのものなのか?
私、菊池がレポートしてまいりました。 |
|
|
カワトクさんといえば小学生の頃(昭和58年頃)、店内のレコードショップにせっせと通っていたのを思い出します。たしか、当時、カワトクさんが肴町から菜園に移転してまもなくの頃だったと思います。
もちろん今もよく利用させてもらいますが、当時は あまりバリアフリーなどという考え方が浸透しておらず、その頃に比べると駐車場も停めやすくなりましたし、店内も広々としてずいぶんと見晴らしがよくなったものだなぁという印象があります。 |
|
|
今回は、パルクアベニューカワトクCS推進室の佐藤さんに、店内を案内していただきました。
佐藤さんは、設備などのハード面のバリアフリーをはじめ、ハンディキャップの有無を越えて人が人に対して行なうサービス、すなわちユニバーサルサービスの推進に尽力されていらっしゃる方です。
接客指導もご担当されているだけあり、大変細やかで分かりやすい説明をしていただきました。 |
|
|
|
カワトクCS推進室 佐藤 裕弥さん |
|
|
|
|
正面入り口 |
さて、まずは正面入り口右側にある自動ドアから店内に入ります。
出入口付近に障害物などもなく車椅子で安全に走行することができます。
また、入り口の境目のギャップはほとんど気にならない程度のものでした。
|
|
 |
正面入り口 |
|
|
|
|
|
エレベータ |
最初に向かったのは、店内西側にあるエレベータ。
2機設けられたエレベータの押しボタンは、車椅子の方用に低位置ボタンが備えられています。
もちろん点字付きですので、視覚障害者の方にも配慮がなされています。
エレベータ内の奥側上部には、鏡が取り付けられています。
この鏡、なんのために付いているかと言うと、車椅子でエレベータからバックで出る際に、ドアの外側の状況を確認するためのものなんですね。
普通、車椅子でエレベータに入ったら、中で方向転換はできません。つまり、エレベータの中ではドアに背を向けた状態であり、出る時にはバックで出なければいけないということなんです。
ここらへんの事情は、健常者の方にはなかなか理解してもらえないところだと思いますが・・。
エレベータ内のボタンも点字付きで低位置に配置されています。
またしっかりと音声アナウンスもありますので、視覚障害者の方も問題なく利用できそうです。 |
|
 |
エレベータ呼び出しボタン |
|
 |
エレベータ内ボタン |
|
|
|
|
|
|
売り場フロア |
冒頭でも書きましたが、とにかく昔に比べると売り場がやたらと見晴らしが良くなりました!
私の場合、健常者の方よりもだいぶ視線が低くなるわけですが、それでもかなりフロア内を見渡すことができます。
それと特筆したいのは売り場の通路がとにかく広いこと!
車椅子が横に3台ぐらい並べそうなほどの広さがあるので、あまり周囲に気を使う必要もありません。
2F〜4Fの通路が特に広くなっています。 |
|
 |
広々とした通路 |
|
|
|
|
|
商品棚 |
売り場を車椅子で見ていくと、かなり低く配置された商品棚があちらこちらに見受けられます。
この高さなら車椅子に乗りながら、気軽に商品を手に取ることができます。
一見、何気なく陳列されているように見えますが、視線を低くしてみると工夫されているのが分かりますよ。 |
|
 |
車椅子でも商品を手に取ることができる |
|
|
|
|
|
ショップの境目の段差 −視覚障害者のための工夫− |
カワトクさんは、フロアの中に様々なショップが入っていますが、このショップと通路の境目に小さな段差や傾斜が付けられているところがあります。
一見すると、こうした段差や傾斜は必要ないように思えたのですが、「これは実はわざと付けられているんですよ」と佐藤さん。
「視覚障害者の方は、音の情報の他、手で触った感触、足に触れた感触で周囲の状況を判断するしかありません。店の境目にわずかな段差をつけたり、店の内側に向かって軽く傾斜を付けることで、目の見えない人でもその変化を感じ取ることができます。
もちろんそれだけでは、今自分がどんなお店に入ってきたかなど詳しい情報までは知ることはできませんが、少なくとも、「ちょっと違う場所に来たな」「別のエリアに入ったな」、ということは感じ取ることができると思うんです。」
佐藤さんの言葉に、思わず「なるほどー」とうなずく私。
段差がなければいいというわけではないんですね。 |
|
 |
ショップの境目に設けられた段差 |
|
 |
傾斜を付けている部分 |
|
|
|
|
|
|
多目的トイレ |
カワトクさんは、地下1階、地下2階、7階に車椅子用トイレが備えられています。
まずは7階のトイレを見学させてもらいました。
トイレ内は縦長の形状で、通路がやや狭く感じましたが、車椅子の走行にはまったく問題なく、方向転換もできます。
車椅子を利用している人にとって、トイレの一番重要なポイントは便座周辺に取り付けられた手すりにあります。
この手すりが必要な位置に取り付けられていないと、便座を目の前にしながら便座に乗り移ることができないというとっても悲しいことになってしまいます。
カワトクさんのトイレは、手すりの形状(可動式手すり有)、取り付け位置とも極めて良好でした。
また、便座周辺の装備(手洗い場、呼び出しボタン、水を流すボタン、子ども用便座、物が置ける棚、ウォシュレット、オストメイト等々)も大変充実しておりました。
地下1階のトイレも見学させていただきましたが、特に問題になるところはありませんでした。
地下1階の車椅子用トイレは、オストメイト(下記参照)には対応していません。
オストメイト対応のトイレは、7階と地下2階のトイレになります。
【オストメイトとは?】
直腸がんや膀胱がんなどが原因で臓器に機能障害(内部障害のひとつ)を負い、手術によって、人工的に腹部へ人工肛門や人工膀胱の「排泄口(ギリシャ語でストーマ)」を造設した人を「オストメイト(ostomate)」と言います。国内には約20万〜30万人のオストメイトがいると言われています。
オストメイトの人は括約筋がないため便意や尿意を感じたり、我慢することができないため、便や尿を溜めておくための袋=「パウチ」を腹部に装着しています。パウチに溜まった排泄物は一定時間ごとに便器や汚物流しに捨てる必要があります。このときに、パウチや腹部を洗浄する必要があります。
そのため、シャワー等の特別な設備を備えたトイレが、最近では設置されるようになってきました。 |
|
 |
|
 |
7階の車椅子用トイレ内 |
|
 |
便座の両サイドに付けられた手すり |
|
 |
オストメイトにも対応 |
|
 |
地下1階トイレ内 |
|
|
|
|
|
車椅子用買い物トレー |
車椅子の方が1人で買い物をする際に、品物を持ちながら動き回るのは不可能です。
そんな時のために用意されているのがこの車椅子用買い物トレーです。
使い方は、写真のようにまず膝の上にトレーを乗せます。
(トレーについているベルトで体に固定し、ズリ落ちないようにします)
このままでも、小さなものならいろいろと乗せることができますが、たくさん買いたい方は、このトレーの上に買い物かごを乗せて利用します。
車椅子を利用している人は、移動する際に車輪を回す必要がありますので、どうしても手がふさがってしまいます。
したがって、何かを持ちながら移動する・・ということがとても困難になります。
よくある場面としては、紙カップで出てくるコーヒーやジュースの自動販売機です。
車椅子にドリンクホルダーをつけていればいいのですが、それがない場合には、熱いコーヒーを片手で持ったまま、もうひとつの手で車輪を回して移動するのは大変危険です。
このへんの事情は、普段車椅子を使っていない方にはなかなか気が付かない所だけに、カワトクさんの気配りはうれしいですね。 |
|
 |
地下1階の買い物トレー置き場 |
|
 |
膝の上にトレイを乗せ、ベルトで体に固定 |
|
 |
買い物かごをトレーに乗せる |
|
|
|
|
|
手話スタッフの配置 |
カワトクさんでは、フロアごとに手話を少しだけできるスタッフを配置しています。
手話スタッフは、「手話 少しだけできます。」(右写真参照)と書かれた黄色いバッジをつけています。
詳細な会話ができなくても、手話である程度のコミュニケーションができれば、聴覚にハンディのある方も安心ですね。 |
|
 |
手話ができるスタッフ |
|
 |
この黄色バッジをつけています。 |
|
|
|
|
|
駐車場 |
地下駐車場には、車椅子専用の駐車場が2台分用意されています。(位置は店内入り口付近です)
いずれも車椅子の乗り降りを考慮し、十分なスペースが設けられています。
尚、車椅子専用駐車場は、本館の他にキューブU駐車場に3台分、カワトク第2駐車場に車椅子専用が1台分、車椅子優先が1台分用意されています。
駐車場の位置など、詳しくは、パルクアベニューカワトクさんのサイト内「アクセス・駐車場」をご覧ください。 |
|
 |
地下駐車場車椅子専用駐車スペース |
|
 |
十分な広さが確保されている |
|
|
|
|
|
終わりに・・ |
まだまだ細かなところでご紹介できないところもあろうかと思いますが、視察を終えての印象は「さすがは老舗!」という感じで、細かいところまで実に配慮が行き届いているなぁと思いました。
百貨店と言えば、スチュワーデス(あ、今はフライトアテンダントとって言うのかな?)と並んで、何かこう接客サービスのお手本・・的なイメージがありますが、カワトクさんの手話スタッフを配置している点などを見ても、さすがに人的なサービス面でもよく考えられているなぁと感心いたしました。
それでも今回の視察の案内をしていただいた佐藤さんによればバリアフリーの設備面やスタッフのいわゆる人的なサービス面でも、まだまだ十分ではないとおっしゃっておりました。
一口に障害者といっても多種多様、同じ障害を持った方でもその程度も様々です。
そういった方々ひとりひとりに完全に合わせた対応をするのはまず不可能かもしれませんが、それでもサービスに携わる者としては、より完全に近づけるために努力をしていかなければならない、とのことでした。
さすがプロフェッショナルだなぁ・・とここで再び感心する私でした。
佐藤さん、最後まで丁寧に対応していただき、本当にありがとうございました。
尚、パルクアベニューカワトクさんの店内を案内する「FLOOR GUIDE」(フロアガイド 右写真参照)をご覧いただくと、トイレの位置などはもちろんフロアごとの詳しい配置が分かりやすく記載されています。
1階の店内案内所などでもらえますので、是非利用してください。 |
|
 |
|
 |
|
|
FLOOR GUIDE(フロアガイド) |
|
|
|
|